情報システム工学科

多様性が進む現代社会では、「もの・サービス・空間」を利用者の目線から見つめ、それを具現化させることが重要となってきます。人の感性や行動を理解したうえで、工学の知識と技術を基礎に設計段階からユーザー評価まで全体を対象とするデザインする能力を身につけ、グローバルな環境で活躍できる能力を養います。

※2017年4月新設 内容が変更になる場合があります。
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学びのポイント

幅広い知識の獲得
個人の価値観が多様化している現代社会においては、個性・感性に適応する優れた機能、使いやすさ、使う喜びを提供できる新しい「ものづくり」が求められています。この求めに応えるためには、機能を満たすための工学的な知識・技術のみならず、使う人間を理解するための人間・社会科学の領域の知恵も必要となります。この2つの領域で、基礎から先端までの知識と技術を学びます。
基盤となる工学知識
「もの・サービス・空間」を創造するのに必要な工学の分野は日々進歩します。したがって、技術進歩に対応し、さらに、新しい領域を切り拓くためには、しっかりした工学的基礎力とその応用力が必要となります。工学分野の学びとして、「専門共通科目群」、「工学専門科目(電気系、機械系、情報系)」を配し、系統的に学べるとともに、実習を通して、学んだ知識を身につけることができます。
デザインの本質の学びと実践
情報端末のような製品やネット通販などのサービスは、さまざまな人がさまざまな目的で利用し、人々の生活を変えました。これらのデザインには、技術仕様だけでなく、人の行動・特性からの視点を重視した人間中心のデザインが求められます。そうしたデザインの本質を理解するために、「デザイン手法科目」、「デザイン実践科目」により、「デザインする喜び」を味わいつつ、デザイン実践力を養います。

暮らしを支えるデザイン工学

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デザイン工学科の学び
デザイン工学

魅力的な生活空間の創造に必要な「もの・サービス・空間」をデザインし具現化するために必要な学問を考究します。

広範な工学知識と人間科学

情報・電気・機械などの工学領域を基盤に人間科学領域を融合させた統合的体系で学びます。

実践力

デザイン応用力の強化を図るPBL科目を教育の中核として位置づけています。また、他分野の技術者との議論力をつけるコースワークを導入しています。

カリキュラム一覧
カリキュラム図表

PICK UP

  • プロダクトデザイン

    プロダクト・デザインの歴史、工学的な技術を用いたデザイン・コンセプトや企画創案、開発の流れ、実際の造形・色彩・素材についてのプロトタイプを作成するための手法を学びます。

  • ユーザビリティ評価

    ユーザーのニーズに合った「使いやすさ」の評価手法を学びます。

  • VR環境デザイン

    仮想現実(Virtual Reality)、拡張現実(Augmented Reality)の技術を学び、仮想空間で、デザインしたモノを評価する手法を学びます。

  • コンピュータグラフィックス

    3次元立体のモデリング技法とレンダリング技法、アニメーションの作成法を学びます。

研究室一覧

東京電機大学では、4年間の学びの集大成として原則1年間「卒業研究」に取り組み、研究成果を論文などにまとめます。
研究室は教員、大学院生、卒業研究生(卒業研究に取り組んでいる4年生)で構成され、同じ専門分野の研究テーマを追求していきます。卒業研究生は、教員からの指導や大学院生からのアドバイスを受けながら、将来の夢に向かって研究活動に邁進していきます。

  • 3D音響デザイン研究室
    伊勢 史郎 教授

    世界唯一の没入型聴覚ディスプレイ
    “音響樽”を開発します

    • 三次元音場再現
    • 音響工学
  • 環境行動研究室
    伊藤 俊介 教授

    ユーザ行動・心理から
    環境・建築・モノのデザインを考える

    • ユーザ行動・心理
    • デザイン
  • コンピュータグラフィックス
    研究室
    齊藤 剛 教授

    コンピュータグラフィックスで作る
    美しい形と動き

    • コンピュータグラフィックス(CG)
    • 画像処理
  • メディア環境デザイン研究室
    柴田 滝也 教授

    感性情報処理と拡張現実技術の融合
    デザイン支援システムの研究

    • 感性情報学
    • デザイン工学
  • 知能コンピューティング研究室
    島田 尊正 教授

    コンピュータの医療応用と
    脳科学の研究

    • ニューラルネットワーク
    • 脳科学
  • 医療福祉工学研究室
    鈴木 真 教授

    ものづくりで生命・生活をサポート

    • デジタルヘルスケア
    • 身体動作インタフェース
  • ナノデザイン研究室
    高井 裕司 教授

    次世代ナノデバイスを
    サイエンスし、デザインする

    • カーボンナノチューブ(CNT)
    • グラフェンナノリボン(GNR)
  • オーサリング研究室
    土肥 紳一 教授

    試行錯誤の繰り返しが
    創造力を豊かにする

    • 個別復習システム
    • オーサリング
  • インタラクション研究室
    武川 直樹 教授

    人間主体のコミュニケーション
    技術を開拓しよう

    • コミュニケーションロボット
    • インタフェース
  • 信号処理研究室
    斎藤 博人 准教授

    音声処理と信号処理技術を基盤に
    会話の環境をデザインする

    • ディジタル信号処理
    • 音声合成
  • 音響システムデザイン研究室
    渡邉 祐子 講師

    豊かで楽しい生活を実現する音響情報
    を利用したシステムをデザインします

    • 3次元音場再現
    • 騒音制御

PICK UP

  • メディア環境デザイン研究室
    柴田 滝也 教授

    感性を環境デザインに活かすための
    情報技術を研究する

  • インタラクション研究室
    武川 直樹 教授

    ロボットや遠隔通信技術を用いて
    コミュニケーションの課題に取り組む

  • 3D音響デザイン研究室
    伊勢 史郎 教授

    最先端音響技術が編み出す
    3D VR Soundの新空間体験

  • 環境行動研究室
    伊藤 俊介 教授

    ユーザ行動・心理から
    環境・建築・モノのデザインを考える

感性を環境デザインに活かすための
情報技術を研究する
柴田 滝也
メディア環境デザイン研究室
柴田 滝也 教授

メディア環境とは、人間と周囲の環境を取り持ち、互いをつなげる情報環境のことを指します。当研究室では「聴覚」や「嗅覚」、「好み」といった人間の感性に着目し、さまざまな情報技術を用いてこれを定量化することで、(1)室内空間デザインや(2)都市デザインに応用するための研究を行っています。また、周囲の環境が人間の感覚にどういう影響を与えるのかということもテーマのひとつです。建築系と情報系という異なる分野を結びつける研究内容のため、建築デザインや音響技術、映像などさまざまな専門知識を持った人が集まり、ディスカッションできることが当研究室の大きな特徴となっています。

(1) 室内空間デザインの研究内容としては、①拡張現実(AR)技術を応用し家具の配置をシミュレートするデザイン支援システムの開発。②耳の形状の違いで音の聞こえ方にどのような個人差が生じるのか、これを解消するためにはどのような音場再生システムが最適なのかといった研究などを行っています。ユニークなところでは、③人間とコミュニケーションを取るロボットの開発、センサーを用いて人間の姿勢やジェスチャーをリアルタイムに計測することで、その人がどのように感じているのか「感情を推定する」システムの研究を行っています。

(2) 都市デザインの分野では、住民の「感性」を活かした町づくりのため、いかに情報技術を応用できるかというテーマでの取り組みを行っています。なおこれは学生グループが主体となっているプロジェクトなのですが、実際に函館市にあるビルのリノベーション計画に参加し、テナントの企画などを行いました。

学生の皆さんには大学内だけの閉じた活動だけではなく、外に対して提案する力を身につけていただき社会につながる責任ある研究を行ってほしいと考えています。

照明や音楽、香りなどの環境を通じて人間が受けるさまざまな感覚を定量化・統合化し、個々の感性をモデル化・共有化することで空間デザインに活かす研究を進めています。

ロボットや遠隔通信技術を用いて
コミュニケーションの課題に取り組む
武川 直樹
インタラクション研究室
武川 直樹 教授

使う人に喜んでもらえるものづくりを行うためには、何が求められるのか。単に性能や機能を追求するだけでなく、心理学や社会学の要素も含めて人間の行動を観察、分析しものづくりにフィードバックしていくというのがデザイン工学科のテーマです。なかでも当研究室では、社会におけるコミュニケーション上のさまざまな課題に着目し、ロボットや遠隔通信などの技術を利用して、どのような解決が可能かという研究に取り組んでいます。
具体的な研究内容としては、子供と離れて暮らす高齢者などを対象とした、プライバシーを確保しながら互いの生活の様子をリアルタイムに伝えあうコミュニケーション支援システムの開発をしています。またテレビ電話を利用して、遠隔地に住む家族と食事をしながら会話を楽しむことにより、どのようなコミュニケーション効果が生まれるかなどの実験を行っています。

コミュニケーションにおいてロボットが果たす役割の研究も、大きな課題です。そのため、会議における出席者の発話時間やボディランゲージを読み取り、発言に消極的な人のコミュニケーションを活性化するロボットや、会話をモニタリングして沈黙が発生したときに適切な話題を提供するロボットなどの開発を進めています。現在は遠隔操作によりロボットの制御を行っていますが、将来的には完全に自律行動してコミュニケーションを行うものを目指しています。

このように心理学や社会学などの幅広い知識を駆使して人間の行動分析を行う必要があることから、学生の皆さんにはゼミでの議論を通じてさまざまな知識を共有できるよう心がけています。新しいコンセプトのものづくりに挑戦してみたい学生さんや、人と機械とのコミュニケーションに興味がある方に、ぜひ来ていただきたいですね。

大島 直樹 助教との共同研究、コミュニケーション仲介ロボット「ニュート」は、沈黙が続く人の前へ移動し声をかけるなど、消極的な発言者のコミュニケーション促進や会議における気まずい沈黙の緩和を目的としています。

最先端音響技術が編み出す
3D VR Soundの新空間体験
―タコツボ化した科学技術の限界を打破するデザイン工学科の創造的教育-
伊勢 史郎
3D音響デザイン研究室
伊勢 史郎 教授

我々の研究室では独自理論に基づいた世界初の没入型聴覚ディスプレイ「音響樽」を中心に研究をすすめています。VRといえばビジュアルが先行していますが、音を高い精度で再現しなければ本当の意味での空間への没入感は得られません。またヘッドフォン、イヤフォンによる音の提示方法は頭部の動きへの追随が難しく、高い精度での音場再現ができません。頭部の動きに追随して鼓膜に届く音圧信号を再現することがリアリティの生成に必要となります。「音響樽」は96個のスピーカから適切に信号処理された音響信号を出力することにより、頭部周囲に3次元波面を物理的に高い精度で生成するため、頭部が動いてもありのままの音響空間を感じることができるのです。 音響樽を起点として今後はデザイン工学を進めていく予定です。デザイン工学は単なる専門的な知識の寄せ集めではなく、知識を統合化し、自分が思い描くモノを実現するための学問体系です。したがって、これまで細分化されてきた専門分野によるタコツボ的な科学技術の限界、すなわちモノつくりへつながらない知識体系を打破し、新しいモノを現実の場に創造し、社会へインパクトを与えることができるような学問分野として今後発展していきます。

音響の分野はそのような科学技術の限界を打破することができる数少ない学問です。なぜならば音響学には従来の物理的知識および最先端技術はもちろん、音を介した人間および社会や文化に関する知識体系も含まれているためです。モノを創るためには、モノが人間社会の中でどのような価値を持つかということを判断する能力が必要となります。それは従来の科学には含まれず、認知科学・文化人類学などを含めた分野横断的な知識を学ぶ必要があります。

インターネットがはじまって20年近くなりましたが、クラウド、VR、IoTなどを中心とする産業革命の激動はこれからはじまります。その中で音のVRに関しては世界トップレベルの研究に関わりながら、新しいデザイン工学を構築しながら古びれた産業構造を破壊し、新しい幸せなヒトの社会を創造していこうという夢を抱いています。

フラーレンマイク(左)で海の音を3D収録し、逆システム処理により音響樽内部の音響特性を打ち消すころにより、音響樽(右)の中は海辺の空間になります。様々な音場の3D再生はもちろん、コンサートホールを3Dで感じることができる楽器練習室、複数の音響樽をインターネット接続して遠隔でアンサンブル演奏、3D VRゲーム、ハイエンドオーディオルームで好きなCDを聴いたりと様々な応用が考えらます。映像のVRすなわち360度カメラと合わせた没入型視聴覚ディスプレイの開発も進めています。

ユーザ行動・心理から
環境・建築・モノのデザインを考える
伊藤 俊介
環境行動研究室
伊藤 俊介 教授

環境行動研究室では、「環境心理学」や「環境行動論」と呼ばれるアプローチで研究をしています。これは、人(子ども、住民、ユーザ)の視点から環境を評価し、よいデザインのあり方を考える立場です。人間行動や心理、社会・文化の仕組みと空間やモノの相互の関わりについて調査・分析し、建築や街のデザインを評価しますが、これはプロダクトデザイン、さらには物理的な世界だけでなくインターネット店舗のようなバーチャル空間にも応用できます。

研究の方法は、現場での観察調査、アンケート調査、インタビュー調査、心理・行動実験、文献調査の多岐にわたります。例えば、学校建築の研究では、授業観察やスペースの使い方・意識についてアンケートを行い、ユーザ(この場合は先生)の意識と実際の空間の使われ方の関係を分析します。その結果、どのような条件が整えば空間が使いやすいか、また、創造的な授業がやりやすいかが分かります。保育園・幼稚園での子供の行動観察からは、社会的な遊びが発生する様子と、それを促進する環境の条件が分かりました。 最近では、インターネットや情報機器が生活空間の一部になっています。そこで、インターネットショッピングをリアルな店舗での買い物行動と比較をしたことがあります。この時は、実際にPCの前に座って買い物をしてもらい、そのプロセスを分析しました。また、公共の場所での携帯電話での通話が周囲にどのように認知されるか、といったテーマも研究課題です。
心理的な面に注目した研究としては、住民の住環境評価、中学生の地元意識、ごみ分別・リサイクル行動の要因なども調べています。

このように、人間行動・心理とモノや環境との相互作用を理解することで、どのように環境をデザインすれば良いかを考える手がかりが得られます。調査結果に基づいて環境を変えてみて、その効果を評価することも行います。

実物大の空間で行動・心理を調べる:この研究では、部屋に一人でいる時と、他者といっしょにいる時のPC作業の効率や正確さを比較する実験を行いました。

養成する人物像

電気電子・機械・情報の工学領域を基盤に人間・社会科学領域を融合させた統合的体系の中で、人類を活性化させる魅力的な生活空間の創造に必要な「もの・サービス・空間」をデザインし具現化できる人材として、デザインエンジニア(人間中心設計)、メーカーエンジニア(電気・機械系)、ICTエンジニア(情報通信系)の3分野の専門技術者を養成します。

めざせる資格
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • 画像処理エンジニア検定試験
  • ディジタル技術検定試験
  • マルチメディア検定試験
  • 福祉住環境コーディネーター検定試験
  • 医療情報技師能力検定試験
  • 高等学校教論一種免許状(工業)※
  • 中学校教論一種免許状(技術)※ など
※ 文部科学省における審査の結果、予定している
教職課程の開設時期が変更になる可能性があります。
卒業後の主な進路・就職先

人間の本質を理解し、工学に基盤を置くデザインの専門知識を身につけた学生の就職先分野は、製造業、情報サービスに関係する企業・公的機関などの技術・開発・研究職などが挙げられます。
(例:日立製作所、三菱電機、トヨタ自動車、ヤマハ、NTTデータ、コニカミノルタ 他)

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